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2018年11月4日(日曜日)

数学基礎論が種の論理の誕生を先導した(1)

カテゴリー: - susumuhayashi @ 11時44分35秒

 先週金曜日の田辺元演習で澤崎君が報告してくれた昭和9年田辺特殊講義の準備ノートに、
さらに数学基礎論への言及がみつかる。これで、昭和29年の「数理の歴史主義転回
―数学基礎論覚書―」における数学の基礎についての田辺の意見で特徴的なものは、
すべてそろったといえる。

そして、その記述や、それを取り巻く種の論理の構造を
構築している記述からして、驚くべきことに、田辺が昭和10年代に、
「数学基礎論が種の論理の展開を指導した」と書いたことの意味が、
僕が今まで想定していて、論文でもそう書いていた

種の論理は昭和9年(度)に社会哲学として生まれ、その後、Heyting のBrouwer
連続体論の説明を通して、数学との関連が意識されるようになり、
その後の種の論理の発展を指導した。

ではなくて、

数理、特に連続体の数学基礎論などの数学基礎論的考察が、昭和9年に
種の論理の誕生をガイドした。

と読み替えるべきのようだ。

あまりのことに、唯々、驚くしかない。

しかし、この時代としても、田辺はすでに古臭いといえるが、
まあギリギリ、そういう時代だったともいえるのかもしれない。

西谷が、その様な印象を持っていて、また、田辺とハイデガーの詩論を比較するときに書いているように、
田辺の哲学は徹頭徹尾数理から生まれてきているのかもしれない。

ただ、この数理の影響を、マールブルグ学派の様に、あからさまに見せなかったところに、
やはり、時代の変化があるのだろう。

まだ、見つかったばかりで、さらなる分析が必要だが、とりあえず、概要を以下に報告する。

田辺研究の方向性に影響を与える史料だから、研究が完成した後で、などと言わずに、
どこかで報告しておく必要がありそうだ。日本哲学史研究か、西田哲学会あたりか?

オリジナルと翻刻をSMART−GSで表示したものの画像がこれ:
(2018.11.08に翻刻が最新版でなかったことが判明。ファイルの送付ミス。
投稿「数学基礎論が種の論理の誕生を先導した(4)」に最新版を掲示)

まだ検討は必要だが、種の論理における類種個の構造を
Sein Nichts Werden 三者に対応させている所があり、前後からして、
種の論理が、数理、しかも、Heyting の著作以前の、田辺の連続体理解に、
影響を及ぼした可能性が高い。

以下、該当箇所のとりあえずの翻刻(京大文、田辺元研究会)。

$40$ 種ノ論理ノ特色ハWeltヲLebenヤ
$41$ Dasein(人間存在)ヤNichtsヲ媒介トシテ考フルニアラズシテ
$42$ m speziale Gemeinschaft ヲ媒介トシ世界ヲ社会ノ
$43$ 媒介ニ於テ考ヘントスルナリ.
(2018.10.12)
$44$ ◎Weltヲ実?トシテ時間ニテ考フルガLebensphil.
$45$ ExistenzialseinノMystikニ普通ノ考方ナリDialektik
$46$ ハ否定ノApscheidung ,Trennung , Entgegen@@zig.
$47$ Enta:usserungノ故ニ
$48$ A:usserlichkeitトシテノR
$49$ ヲ
$52$ Inha:reng
$53$ (Z)
$51$ トS….zein
$50$ ®トノ綜合必然ナルナリ.
$54$ 重ンジZモRトノ媒介ニ於テ考フ故ニ種ノ論理ハ
$55$ 個ノ論理ヤ類ノ論理ト異リ実間?ノ論理ヲ重ンズ
$56$ コレニヨッテノミ個ト共同社会トガ現実的トナル.生ニハ
$57$ (ウムラウトを文字として認識)
$58$ 実@性A:userlichkeitナシ直接態ナル故内外一如
$59$ 連続ナクスハ?ナリBergsonヲ見ヨ.社会ヲ考フルニ之ヲ要ス
$60$ R-Zニヨッテノミ個ト種ト同時ニ成立ス. 此Dialektikノ
$61$ Progress , Beweglichkeit ハpraktisch ニノミ動即静的
$62$ ニノミ?成立ス. PhilosophieガSystemヲナクス所ナルナリ
$63$ dialektiche Logikタル所トナルナリ. 数学ノGrundlagen_
$64$ forschung.ガ自己映写ノNonpra:dikatibita:tヲ
$65$ 免レヌ如クantinomischノdialektischナリ. Kantト異ル?(考ル?)
$66$ 意味ニテMetaphisik否定セラレDialektikガ
$67$ Logikトナリphilosophie der Praxisトナル. 故ニ
$68$ GeistノMetaphisik ノAヲ存在スルabsol.Geistトノ
$69$ 提示?タルHegelト異ルKant的@@@@@@.
$70$ Sein-Nichts-Werden
$73$ モ
$72$   B
$71$ E-A-Bナリ.
$79$ Sein-Nichts-W
$74$ ハ
$75$ モ
$76$ B-E-A
$77$ E-A-Bナリ
$78$ Welt
$80$ Nichtsハ否定外@ナル故Eナリ. Sein直接態トシテBナリ
$81$ トシテ出ルモノハ
$82$ BAナリ.故ニソレカラDaseinガals ahi…シ
$83$ S-M-PナリPガアル有トシテアル間ハBナリ之ヲNichts
$84$ ニシテAトスルハMystikナリ場所ノ哲学ナリ、類ト
$85$ シテ存在スル間ハBナリソレガ否定態トシテAタルノミ、EモBニ
$86$ 対セズ却テ之ヲ媒介トシテ@スルヿニヨリ生レテ?類的個トナル


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