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2017年2月25日(土曜日)

みんなで翻刻

カテゴリー: - susumuhayashi @ 18時10分42秒

またまた久しぶりに、ブログを書いている。

今日と明日は入試監督で、そのストレスが書かせている面がある。 ;-)
#続きを書いているのは、もう試験が終わった26日の深夜

それで思い出すのが、確か3年前の入試監督の日のこと。文学部では、色々な研究所の人たちが、入試監督の手助けをしてくださるのだが、この年は、それが宇治の防災研だった。

その助っ人の一人が、防災研地震予知研究センターの加納さんで、彼が「SMART-GSを作っている方ですよね」と切り出したのには驚いた。

なんでも江戸期以前の古文書から、地震の情報を引き出すという研究分野があるという話で、それにSMART-GSを使えないかということだった。

東北の震災から間もないころであったし、何より歴史学が人命を救うかもしれないというのが良い。
#実は歴史学は国境線を決定したり、戦争責任を決定したり、凄くプラクティカルな学問。

あの悲惨な津波の半年ほど前だったか、確かアメリカ(もしかしたらカナダ?)のドキュメンタリで、北米の北西部を高さ10メートル超えの大津波が襲った跡が、上流の河岸の地層の発掘で判明し、今は、学校などでも避難訓練をしているというのを見た。

東北の津波の映像を見ながら、この番組を思い出し、もしかして、日本でも、あの番組で紹介されていたのと同じことができたのではないかと思っていたら、貞観地震というのが記録されていて、それと殆ど同じ地域が被害にあったことが段々と報道されるようになり、「ああ、またか、この国は…」と暗澹たる思いをした。

そういうなかで、こういう話があり、大変興味を持ち協力を約束した。もしかしたら、歴史が人命を救うかもしれないのである。素晴らしいことだ。

その後、京大古地震研究会を主宰している理学研究科の中西さんが、研究室に尋ねて来てくれて、地震学には現代地震学、古地震学という分類があること、地質学を使う考古学的古地震学は、情報が得られるタイムスパンが何百万年になる一方で精度が100年単位くらいになる。一方でスパンが1000年単位に減るものの古文書による古地震学は精度が数時間になり、現代地震は精度が秒単位だがスパンが100年単位となる、というような話や、南海地震があると土佐の地盤が一端下がるため高潮が増える、それが数十年かけて戻るということも、高潮被害についての古文書記録を見ていくとわかる。だから、「地震」というキーワードがある文書だけ読めているだけでは足りないというような、非常に興味深い話を教えてもらえた。

その話は、まさに、我々情報屋がビッグデータやIoTの様な世界でのヘテロな情報の質と量のトレードオフにもっている感覚に似ていた。そういうのをどう上手く組みあわせて有用な情報を引き出すか。それが問題なのである。

これは、まさに情報技術を適用するにうってつけの分野だと思い、非常に強い関心を持ち、まだ、学位論文のテーマを決めかねていた院生の橋本君に、こんな重要な分野がある、将来的にきっと重要なものとなる、などと話した。

橋本君は、僕が彼を京大古地震研究会に送り込んだようなことを言うが、これは間違いで、そんなことをした覚えはない。単に、重要な分野の存在を伝えただけで、後は、橋本君の自由意志で進んだこと。

いずれにせよ、橋本君は、以後、京大古地震研究会に参加するようになり、今や、その主要メンバーの一人。

そして、その後の橋本君の様々な頑張りが実を結び、加納さんと僕の「入試監督での邂逅」は、「みんなで翻刻」という大きな成果を生みつつある。

この成果は、1月にプレス・リリースされたのだが、何故か、入試一日目の土曜日の京都新聞夕刊1面に掲載されていて(これが電子版)、それで入試監督と重なり、思い出して、このブログを書いている。

現在まで、くずし字古文書の crowd-sourced transcription、つまり、みんなでやる翻刻は、成功したものがない。現代の印刷物でも、青空文庫ぐらいだろう。

まだ、公開して間もないので、まだまだ予断を許さないが、みんなで翻刻は、その最初の成功例になりそうだ。

今の所の成功のポイントは、橋本君の発案の「学習ベース」のクラウド翻刻にしたこと。つまり、くずし字解読のスキル上達ができる「みんなと交流できるまなびの場」であることが、成功しつつある理由だろう。

これは、橋本君が研究協力者、加納さんが分担者で、僕が代表の科研費基盤B「古文書のWEBを目指して」での成果だが、僕は代表として、お金の管理をして、後は、時々、橋本君に指導教員としてコメントする程度で(「みんなで翻刻」は橋本君の学位論文で大きな部分を占める)、橋本君、加納さん、中西さんの研究成果。

名前の発案者は中西さんだそうだが、設計やコーディング、改造は、橋本君ひとりでやっているが、これは京大古地震研究会なしでは考えられないものなので、古地震研究会を始めた中西さんや、加納さんの貢献は大きい。とくに、加納さんは自身が、WEBベースの古地震研究サイトを作っていて、みんなで翻刻も、そちらのサイトでのサービスらしい。

ただし、京大古地震研究会のサイトは、僕が代表の東大地震研の共同利用のプロジェクトの成果です。とはいっても、これもプロジェクトメンバーの加納さんの活躍がすべて。僕は資金集め以外は威張れない。(^^;)


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