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2013年7月7日(日曜日)

若い研究者にとってのSMART−GSの可能性

カテゴリー: - susumuhayashi @ 13時18分34秒

インド古典の志田さんが、久木田さんの助けを借りて、SMART−GSを利用したインド古典Telugu文字の解読ワークショップを開くとのこと。また、伊藤和行さんがガリレオ史料をSMART−GSで解析することになり、幸にもラテン語が理解できる院生の秋田君がいたので、彼に前処理作業を依頼(こういう時、多言語ができる人は強い)。この伊藤さんの研究は、内容が面白そう。SMART−GSがそういう研究に貢献できると大変うれしいのだが。事前の打ち合わせからすると、相当に使えそうだが、こういうのはやってみないと分からないので、keep crossing fingers で待つ。

木曜日の技術演習で、学生さんたちが、内海日記は読むのが難しいといいながらも、SMART−GSでドンドン翻刻を進めていたのとか、この二つとか、昨週は、なにかと、SMART−GSの仕事が多かった。で、考えたこと。

伊藤さんと話していて、もう僕らより上の世代の人でないと、一次資料を読んで歴史をやるという人がいないとのこと(ただし、科学史でのこと。現代史では一次資料読みが、すくなくとも、京大文では標準)。その理由として、若い人は論文の数を出さないと認めてもらえない時代になり、一次資料読みなどという手間がかかることをやっていられなくなったのが一番大きそうだという話になった。実際、年配の研究者は、もう地位が安定していて、そういう人たちが(僕もその一員)、十分な時間と、蓄積した読みの技術、を使って一次資料を読んでいるのに対して、若い人たちが対抗するのは、現在の状況では無理なので若い人たちに、一次資料を読めというのは、酷だという話になった。
#推薦状を書く立場からすると、学振の研究員とか、論文の数があればとおる、という感じ。
#僕は内容が駄目だと思ったら、推薦状でも誉めないが、他の分野の研究員などみると、
#内容など酷くても、論文数だけで通っているらしいと思われるケースがある。

で、学部生、しかも、主に低学年の人たちが、マニュアルもろくに見ないで、ちゃんと、SMART−GSを使いこなして内海日記を翻刻しているのを見ると、もしかして、SMART−GSが、この現状を打破する一助になるのでは、と考えた。やはり、ITを、年配の人が使いこなすのは難しい。だから、その点で、SMART−GSが楽に使えるという強みが若い人たちにある。また、ITが人文学の力になることを、認識できれば、さまざまな工夫を自分でてきるようになる。

そうすると、SMART−GSによる一次資料研究は、従来の手法に比べて

1.一次史料を読むことに置いて、若い人の方が年配世代に対して優位にたてる。
2.従来必用だった時間と手間を大幅に低減可能で、これからキャリアを築かないといけない若い研究者にも一次資料研究がaffordableになる。
3.しかも、一旦、「鉱脈」が見つかると、関連史料を見つけやすいので、論文をドンドンかける。

という長所を持っており、若い世代にとって有利な武器になると思われる。

で、これが本当ならば、一次資料研究の復活に貢献できるかも。そうなってくれると良いのだが。

一次資料のレベルから、歴史が書き換わるときの、書き換わり具合は、凄いものがある。逆に言えば、一次資料にまで手を付けないと、同じ様なところをグルグル回りばかりする可能性が非常に高くなる。そればかりか進むことによって、かえって悪くなっているケースが多々見られる。一次資料は自然科学の実験・観測のようなもの。天から、真実が降ってくる。
天から降ってきた真実ほど、力強いものはない。


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