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2013年5月25日(土曜日)

Kronecker の20世紀数学における位置 1

カテゴリー: - susumuhayashi @ 12時06分11秒

Edwards はKroneckerのModulによる代数的数学の基礎はスキームのようなものではなかったか
ということを書いているが、その数学的・歴史的意味は詳しく論じていない(はず)。
で、「ゲーデルと数学の近代」で、クロネッカーの真の位置について書くときに、
Ernst Steinitz
Algebraische Theorie der Körper (German: Algebraic Theory of Fields, Crelle’s Journal (1910), 167–309).
だけでは、せいぜいがガロア理論なので数学的には深みがたりないので、これについて書きたかった。
#Steinitz 論文を見ると、その記述枠は Dedekind の数学の上にあるが、内容のほとんどは
#Kronecker からきていることがわかる。Dedekind の名前は、2度ほどしか、しかも、非本質的
#な仕方ででてくるだけ。一方で、Kroneckerは再三、数学的ソースとして引用され、また、
#「Kroneckerは有限的制限を置いたので、ここまでだが、本論文では、それはおかないので、
#こうなる」というようなフレーズが繰り返される。つまり、Zahlberichtのイントロでヒルベルトが、
#「Kummer-Kroneckerの計算的装置を、Riemann-Dedekind の概念的思弁的装置に
#置き換えた」と書いたのと同じことをやっている。つまり抽象体論の元はKroneckerの
#多項式枠組みをDedekind の集合論的枠組みに置き換えて、できており、それにより、
#Dedekind-Hilbert-Noether-van der Werden の系譜が、Kronecker の系譜を吸収し、
#Kronecker の成果が、現代では、あたかも、Dedekind の系譜の成果に見えてしまうという
#現象が起きている。

しかし、数学的知識が足りず、これがずっとわからなかったのだが、先日、名古屋の
浪川先生に、Weil->Serre->Grothendieckというのがスキーム系譜で、てぇr
Weil generic概念->Serre Sheaf-> Grothendeieck Scheme, Topos
だと教えていただいて、調べたらわかってきた。想像していたより、ずっと凄い。

しかも、これを名前などは知っていた Colin McLarty が大変丁寧に調べていることが判明。
非常に良い仕事!(2013.06.23追記:McLartyの歴史の調べ方が滅茶苦茶であることがわかったので、
これも信じられないかも…哲学者というのは、こんな人が多いのか?Siegさんなどは
大変にしっかりしているのに…)

The Rising Sea:Grothendieck on simplicity and generality I
http://www.math.jussieu.fr/~leila/grothendieckcircle/mclarty1.pdf
“`There is no ontology here’: visual and structural geometry in today’s Arithmetic,”
http://www.cwru.edu/artsci/phil/In%20press%20There%20is%20no%20ontology%20here.pdf

数学の内容は、McLartyのこれらの解説でわかるが(解説が大変良い。僕でさえホモロジー、
コホモロジーの背景と意味が腑に落とせる!)、Kroneckerのインパクトを何より如実あら
わしているのは、Weilの1950年のICMでの講演(これ、Weil予想の講演。
これ以前に、Weil予想は別の場所ででているのか?調べる!

A. Weil, NUMBER-THEORY AND ALGEBRAIC GEOMETRY
http://www.mathunion.org/ICM/ICM1950.2/Main/icm1950.2.0090.0102.ocr.pdf

The previous speaker concluded his address with a reference to Dedekind
and Weber. It is therefore fitting that I should begin with a homage to Kronecker.

# http://www.math.harvard.edu/history/icm1950/program/1005.html
# The previous speaker は Zarisiki
# Zariski The fundamental ideas of abstract algebraic geometry
# 内容をチェック!

There appears to have been a certain feeling of rivalry, both scientific
and personal, between Dedekind and Kronecker during their life-time; this
developed into a feud between their followers, which was carried on until the
partisans of Dedekind, fighting under the banner of the “purity of algebra”,
seemed to have won the field, and to have exterminated or converted their foes.
Thus many of Kronecker’s far-reaching ideas and fruitful results now lie buried
in the impressive but seldom opened volumes of his Complete Works. While
each line of Dedekind’s Xlth Supplement, in its three successive and
increasingly “pure” versions, has been scanned and analyzed, axiomatized
and generalized, Kronecker’s once famous Grundzüge are either forgotten, or are thought
of merely as presenting an inferior (and less pure) method for achieving part
of the same results, viz., the foundation of ideal-theory and of the theory of
algebraic number-fields. In more recent years, it is true, the fashion has veered
to a more multiplicative and less additive approach than Dedekind’s, to an
emphasis on valuations rather than ideals; but, while this trend has taken us
back to Kronecker’s most faithful disciple, Hensel, it has stopped short of the
master himself.

Now it is time for us to realize that, in his Grundzüge, Kronecker did not
merely intend to give his own treatment of the basic problems of ideal-theory
which form the main subject of Dedekind’s life-work. His aim was a higher one.
He was, in fact, attempting to describe and to initiate a new branch of mathematics,
which would contain both number-theory and algebraic geometry as
special cases.

Edwardsが指摘していたKummer全集のイントロのWeilの書き方から、Kroneckerを
相当に称揚していたらしいとは思っていたのだが、代数幾何の知識がなくて、
まさか Weil予想が、もろにKroneckerの数学の構想に関連付けられていた
とは思わなかった。かならずしも、Kroneckerの数学から、Weil予想が生まれたの
でなくとも、WeilがこのようにKroneckerのGrundzuegeを位置付けていることだけでも
重要。いや、むしろその方が重要な位だ。(ただし、それが他の代数幾何学
整数論研究者と共有されていたかどうかという問題があり、それは重要!)

これで、さらに類体論も持ち出せば、Kronecker の20世紀数学への影響を
「特異」とかいう評価が、20世紀数学の本流、代数学・代数的整数論
の観点からは、実に奇妙であることは明瞭にわかるだろう。

行うべきこと:
1.ヒルベルトの「Kummber-Kronecker を Riemann-Dedekindで書き換えた」の
書き換えポイントを正確に理解する。つまり、Zahlberichtのどこに、そして、
どのようにKummer-KroneckerとくにKroneckerが埋め込まれているかを正確に
把握する。
2.このような状況を、なぜ、Weil以外の代数幾何研究者が発言していないのか?
#浪川先生に聞く?まずは、浪川歴史論文みつける。
3.ICM1950以前に、WeilはKroneckerについて何か語っているか?
4.どうして、こういう重要なことが永らく、無視されてきたのか?
 単に論理学、歴史学、哲学の関係者の単なる無知のため??
 ウーム… 
 しかし、経済学史の人と僕の間で、「えっ、Jevonsって論理学もやってたのですか?!!」
 「えっ、Jevonsって経済学で有名だったのですか?!!」(Economicsという言葉
 自体が、Jevons によるものとか)という会話が成り立つように、まあ、歴史という
 ものは、驚くほど「無視」「無知」が横行しているものではある。だから、歴史家は
 常にフレッシュな風にあたることができる(19世紀終わりから20世紀初頭の米国の
 歴史家たちの危惧はまったくあたらない!!)のだし、いつまでも忙しい。 :-)


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