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2012年5月20日(日曜日)

Babbage, Jevons, … computing と economics

カテゴリー: - susumuhayashi @ 03時13分25秒

金曜日に2011年度西田田辺記念講演会での僕の講演がきっかけで知己となった経済学史家の中井先生(近畿大学)が突然研究室にお見えになった。京大で学会か研究会があったらしく、龍谷大学の経済学史家小峯先生と一緒にお見えなり、関西学院大学が最近購入した Foxwell 文書とか、中井先生の秋からのケンブリッジ留学、近藤先生の内海日記研究、ロンドン大学のベンサム・プロジェクトなどについて話す。

経済学史研究におけるSMART-GSの利用の関連で挨拶に見えたわけだが、これがきっかけで、情報思想史、社会思想史上の重要な連関を見つける!

関西学院大学が巨額の費用を使い、そのアーカイブを手に入れたHerbert Foxwell は英国経済学で重要な役割りを果たした人物で、JevonsとBabbageとの関連で現れる。Campbell-Kelly と Asprey の教科書でロンドンの為替交換所として紹介されているLondon のClearing Houseの話をBabbageが著書で書いている。(不明な点:独立した本で著書ではあるのだが、Babbage の生前の代表作 On the Economy of Machinery and Manufactures との関連は?)、その clearing house についての著書を、Jevons が論文で書いており、死後にそれは著作集の一つに収録される。この著作集を編集したのがFoxwell。Jevons を彼のlogic pianoによりビクトリア時代の人工知能の祖とみなせば、その人と、ビクトリア時代のコンピュータの祖とみなせるBabbage が経済学を巡って交差しており、それに Foxwell が絡んでいて、それを契機に、僕は、それを経済学史のルートで知ることなったわけだ。しかも、Jevonsは限界革命という古典主義経済学を超える新経済学の三人の祖の一人なのだそうだが、もう一人が C. Menger (ウィーン学派の K. Menger の父)なのだから、やはりこの時代の人的つながりというのは、物凄く dense。

友達の友達の友達…とやると7段くらいで世界中の人が繋がるという話があるが、それを知っていても、こういう連関が、この時代にドンドンみつかるというのは、単なるグラフ論の問題ではなかろう。要するに、人が少ない?、ともいえるが、その思想のもつ傾向の近似性から、やはり近代性のような特定の「モチーフとしての思想」が流れていると考えるべき。

これは月曜日の特殊講義、水曜日の講義の両方に深く関連。

大変、興味深いのは、この歴史的関連性の発見の経緯。
1.林が田辺元についての講演を西田・田辺記念講演(2011)として行なう。
2.この講演会は2名が講師だが、もう一名が 、その思想と西田の思想の関連性などを指摘されているT.H. Green の研究で知られる行安茂先生だったわけで、中井さんは僕のことは知らず、行安先生の講演が聴きたくて聞きにこられた。ところが、そこで、もう一人の講演であった僕の講演で、歴史研究用ツールSMART-GSについて、偶々知る。
3.そして、SMART-GSに絡む交流という偶然の媒介上で、僕の経済学史への興味を通して、 Jevons, Foxwell, Babbage の関連が見つかる。

これは一見不思議なのだが、ここで米国プラグマティズムの思想と German social democracy の伝統を関連づける、James T. Kloppenberg 視点を考慮すると、京都学派、プラグマティズム、T.H.Greenが結びついてしまうために、むしろ、この経緯は自然にさえ見えてくる。行安先生が、僕の講演で紹介したブラウワー、田辺の思想とグリーン、西田の思想の同形性に大変関心しておられたが、むしろ、それは当たり前なのだろう。しかし、それは、祖の時代にはある程度見えていたのではないか?そのことを「思い出す」のは、WEB時代の現代では寧ろ簡単だろう。それよりは、どうして、我々はそれを「忘れてしまったのか?」。その問いの方が重要なのかもしれない。

これでKloppenbergの仕事の重要性がますます大きくなった。


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