Welcome Guest 
メインメニュー
林晋ブログ 最近のエントリ
Blogカレンダー
2012年 2月
« 1月   3月 »
 1234
567891011
12131415161718
19202122232425
26272829  
Blog 月別過去ログ
Blog 検索
カテゴリ一
ログイン
ユーザー名:

パスワード:


パスワード紛失

リンク
検索

2012年2月28日(火曜日)

佐藤のテンソルの論理と田辺の種の論理

カテゴリー: - susumuhayashi @ 00時19分58秒

風邪で潰れて1日休んだら久しぶりの休養になり、資料が届いたこともあり、
絶好調となり田辺の力学関係の思考法がかなり解明できた。で、がんばり
すぎてダウン。今度は1週間近く寝込むハメに。漸く今日から何とか再開。
明日は会議…

種の論理の成立、発展における「力学」の役割りの理解のために佐藤省三
の「テンソルの論理」論が鍵。

佐藤は種の論理の前駆をなす「図式時間から図式世界へ」を意識しつつ、
種の論理より10ヶ月ほど先行しながら、新自然学である量子力学、一般
相対性理論の論理をもとめて、テンソルの論理の必要性を提唱する。
それは集合論に比すべき、孤立した質点のあつまりと「無媒介的に直達する
所謂遠隔作用」(p.28)に基づくニュートン的古典物理学から、「空間をば
連続的に充たせる力の場が作用伝播の媒介となる(p.28)」電磁論(電磁気学)
への物理学のシフトを意識したものである。そして、ニュートン的力学は、
幾何学的な運動学 Kinematik から、ガリレオにより『「幾何学的なるもの」
に還元することができない物体の質量とか、非外延的な「力」の概念』(pp.5-6)
が導入され、それにより Dynamik が誕生したのであるが(pp.5-6)、それに
対応する論理は一次の方向量の論理、つまり、ヴェクトルの論理である、
コーエンの論理学であった。(この幾何的運動学のレベルが0次の方向量の
であるスカラーの論理。)しかし、新物理学は、場の上の近接作用の学であり、
それをコーエンの微分の論理学で理解することはできず、その故に、近接作用
(古典物理学の範囲では、典型は剛体内の応力) を表す2次の方向量を
表すテンソルの論理が、これらの新自然学の論理となる。これが佐藤の論文
の主旨。その哲学的内容は、ほとんど最初の昭和9年1月の「近代に於ける
自然の論理」に現れており、その10ヶ月後の11月号の「哲学研究」に、
「社会存在の論理」の最初の部分が、12月の号に2番目の部分が発表される。
そして、翌昭和10年の1月号では「社会存在の論理」の最後の部分が
発表され、同じ10年の9月号と12月号に佐藤の論文の続編というべき
「高次の方向量の論理」が現れ、10、11、12月号に田辺の
「種の論理と世界図式」が現れる。そして、昭和11年の「論理の社会存在
論的構造」では「高次の方向量の論理」が引用される:「其限りコーヘンの連続
の論理は微分に止まるべきでなくテンソルにまで発展すべきものであったということも
出来る(佐藤省三氏『高次の方向量の論理』の着眼は此点から推奨に値する。)
併しそれが為には、コーヘンの如くカントの分析論に留まるのでなく彼の弁証論の
立場に進み、一度思惟を自己否定せしめなければならぬ。斯して連続の根源は、単に微分の如く
欠如の極限を課題の存在に繋ぐ肯定的原理にあるのではなくして、自己否定の極、
無からの行為に於て絶対否定の肯定に転換せしめられる否定即肯定の弁証法的原理となる。

以下、重要部分:

p.28:今や相互作用は空虚な空間を距て(へだて)て互いに独立的に存在する
質点の間にではなく、場によつて互いに近接し一体を成す力心(りきしん?)の間
に成立することとなる。

p.30:かくて近接作用の物理学を俟って(まって)初めて孤立され固定せしめられた
関係点 Relata に重きを置くのではなくして、これらの個物並びにその個々の作用
を寧ろ自己の抽象体とする、相互作用の共通の地盤、媒質たる全体者、普遍者が
顕揚され合理化され得るに到ったのである。
 上来の所論によって近接作用の物理学に於ける場の概念の意味は最早(もはや)
機械観からは理解し得られないことが明らかになったであろう。< 以下略>

p.33:古典的物理学に於ける因果律の範疇の位置に代る可き(べき)新しい範疇は、
機械観的物理学よりしては独立した新しい学的方法としての意義が承認されなかった
所の「相互作用の範疇」である。然し相互作用という語が関係点に優先が置かれる
遠隔作用の物理学に於いて生じたものなることを表示し、相互作用の地盤たる全体者、
普遍者を顕現していぬ点で不適当であるならば、新しい全体的な範疇の有する論理的
構造を先述のテンソル概念を用いて特色づけることが出来るであろう。

pp.33-34: 然らば「テンソル」とは如何なるものかと言うに、一方「ヴェクトル」が「スカラー」
の方向を有しない量であるのと異なり方向量として区別せられ而も一方向きの方向を有するに
止まるに反して、ヴェクトルよりも更に高次な、正反対の方向が互いに等しい資格を持った
方向量の謂である。故にヴェクトルは通常一本の矢←を以って表されるに反し、テンソルは
←→或いは→←の如き記号によって表される。

pp.34: テンソルの語は元来W.Voigtによって初めて名付けられしものである。然し彼の
考えたのは六つの。。。

pp.38-39:テンソル←→に於いて→と←とは常に相伴い一の存する所必ず他が存し、一が
増大すれば他も増大し、一が減少すれば他も減少し一が消失すれば他も消失し、全体は
それに従って増大し、減少し或いは消失するのを意味し... 浸透し、張り合ひ、緊張しつつ
一つの内面的統一、平衡的全体を形作る点に於いてテンソルの含む二動向は寧ろ一つの
全体者が二つの反対の方向に分化したものと考えられる可きである。

pp.76-77:相対性原理に於ける非ユークリッド的、双曲線的空間に属する時空の四次元融合体
としての世界テンソルを、ユークリッド空間に於けるフォァグトの所謂Tensortripelとしての
Ellisoidと同一視する事は勿論許されないにしても、今簡単の為にその相違を無視して時空融合
体をかかる Tensorellopsoidと考うるならば、時間軸そのものが一つのテンソルとして考えられない
であろうか。
#ここの種の論理における「切断」の芽がある。
#S9年の講義録 S09_004.jpg 右ページ最後から、左ページトップにかけてのテンソル的な図
#との関係!

右最下部

左最上部

丸で囲むのは、そこで絶対弁証法の渦流が起きているということと理解できる。「哲学通論」の絶対弁証法の
図を参照。


TrackBacks

このコメントのRSS

TrackBack URL : http://www.shayashi.jp/xoopsMain/html/modules/wordpress/wp-trackback.php/202

この投稿には、まだコメントが付いていません

コメント

_CM_NOTICE

24 queries. 0.030 sec.
Powered by WordPress Module based on WordPress ME & WordPress

XOOPS Cube PROJECT