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2012年2月20日(月曜日)

田辺の「局所的科学」、ドルーズ・ガタリ、多様体の論理

カテゴリー: - susumuhayashi @ 01時31分34秒

多様体は局所的にはニュートン的な絶対空間と同形。ドルーズたちが言うように、
それのバッチワーク。ドルーズたちは、それを The Mathematical Model として使った。
田村が葉層構造について説明したことを強調してアナロジカルにいえば、多様体的な社会(種)
は、互いに同形の小さなコミュニティーのパッチワークとなる。

この社会の多様性や、ツリー構造の不在ということがドルーズたちの
論点だったのだろう。それに対するものとしてマルクス主義唯物弁証法が
あげられている。(TODO: ここ正しいか?杉村さんに教えてもらう!!)
たとえば、The Mathematical Model の冒頭に(英訳、p.482)、次のような
フレーズがある:
It was a decisive event when the mathematician Riemann uprooted
the manifold from its predicate and made it a noun, “manifold”.
It marked the end of dialectics and the beginning of typology
and topology of multiplicities.
#脚注で、RiemannのMannigfaltigkeitがHerbartの教育心理哲学から来ていることを
#注意。これがわかったのが、Scholzの1980年代最初の研究だから、ドルーズ・ガタリの本(1980)が出版された頃に
#研究されていることになる。ちなみに、ドルーズ・ガタリの索引で、Riemann が Georg Reimann になっているの
#愛嬌。(^^;)確かに、Georg Friedrich Bernhard なのだが、普通 Bernhard という。

田辺の用語でいえば、多様体の哲学は一般相対性理論と同じレベルになるので、局所性の哲学ということになるだろう。
これは、その基礎が局所的なものからできているという意味。その局所的なものの多様性に眼を向けて、それを研究すれば
多様体のローカルな研究となるが、葉層構造は田村が書いたように、特にその大域的な性格に注目する理論。
中沢が葉層を持ち出したのは、単に模様を入れたい、田村の2つの図を使い、それを田辺の文章に重ねたかった
だけなのだろう。また、フラクタルもイメージしたのかもしれない。
中沢の多様体の哲学は、それを意図的に同一論理化した澤口の…

ToEdit

決定性のフラクタル コーエン・ナトルプの微分>非決定性のフラクタル〔海岸線など) ブラウワーの自由選出列>田辺の切断

フラクタルは、そのものが複雑だから面白いのではなく、単純な決定形のはずなのに、
繰り返しや再帰を入れると複雑だったり、非決定的システムのように振舞うというのがポイント。
しかし、それには随分ルールが入っている。たとえば、ハウスドルフ次元。これはせいぜい、
量子力学の確率的予測のレベル。あるいは、どんどんせばまるブラウワーの自由選出列。
田辺の切断には、そういう制約がまったくなく、自分の環境さえ変える。

だから、フランス現代思想だと、全然、田辺の絶対弁証法に到達できない。

近傍はコミュニティのアナロジになる。バザー vs カセドラル。
しかし、田辺はコミュニティなどどうでもよい。彼にとっての問題は国家・社会と個の対峙の問題。
種の論理とは、実は、「種に対峙する個」のための論理。
田辺は自立した個として国家を愛する明治人であった。

しかし、そこに猛烈な複雑性の絶対弁証法が極微のレベルで入っている。

中沢の多様体哲学は、確信犯澤口が、田辺哲学の心臓を切り落としてくれていた
ために、フランス現代思想的な枠に埋め込むことに成功したもの。しかし、それは
田辺哲学の死骸のようなもの。

田辺哲学の哲学の理解を助けるために、丁度、田辺がテンソルを持ち出しかけたように、
そういうものを考えることができるかもしれない。しかし、其の場合、多様体では足りない。
せめて、ブラウワー的な層モデルくらいを持ち出す必要がある。しかし、それは無限に
精度を高めることができるだろうが、それは決して田辺哲学ではない。


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