合同集会 "Workshop on Hilbert in Kyoto" & "CC seminar"

変更履歴: 2006/09/02 プログラムに林の2つの講演アブストラクトを修正。
2006/09/11 会場についての詳細情報を追加。
2006/09/12 CC-seminar part 1の終了時間の間違いを修正。Workshop dinner のお知らせを変更。
2006/09/25 Zach氏の abstract と title を追加。英語版を追加(これは少し前)。岩波文庫「不完全性定理」についてのコメントを追加。
2006/10/07 Workshop dinner の場所等確定。これによりプログラムが確定。 一部文章を修正。
2006/10/15 ヒルベルト格言集へのリンクを追加。

京大文学研究科を中心にして進んでいる Hilbert の数学手帳の研究により、 Hilbert の数学思想と数学基礎論についての従来の常識を覆す多くの事実が明らかになりつつあります。この研究についての経過報告を行うことを主な目的として Workshop on Hilbert in Kyoto を開催しますので奮ってご参加ください。参加は自由です。林晋による報告の他に、Hilbert 計画史の代表的研究者である R. Zach 博士, W. Sieg 教授を迎えて関連する講演をしていただきます。

また、林たちの研究の一端は、すでに、Hilbert notebooks project の Web page と、2006年9月15日発売の岩波文庫「ゲーデル 不完全性定理」林・八杉訳・解説で発表されています。岩波文庫「ゲーデル 不完全性定理」は、学術書ではないので学術的レベルでの証拠付けをしていませんが、現在まで分かったことのかなりの部分(半分位?)を報告しています。今回の集会の林の3つの講演では、可解性ノートについての「ゲーデル 不完全性定理」の主張の根拠の説明や、この本では十分かけなかったヒルベルトと計算との関わり、この本の原稿完成後に発見されたクロネカーとの関わりについてのノート、などについて説明を行います。

数学ノートからは、こんな面白い「格言」も見つかっています。

本研究会は21世紀COE「グローバル化時代の多元的人文学の拠点形成」の一環として開催されます。

C-seminar http://www.kyoto-su.ac.jp/~yasugi/page/Kakenhi/04kakenhi-j.html  が併催され、Hilbert 数学ノートの歴史研究と関連の深い講演2件が行われます。 こちらも参加自由です。(この部分は科学研究費補助金研究八杉代表の一環)

場所:京都大学文学研究科、新館第7講義室(地図アクセス案内
日時:2006年11月11日13:00-2006年11月12日12:20
問い合わせ先: 京都大学文学研究科林晋, メールアドレスなどは http://www.shayashi.jp/ を参照。

プログラム

集会の使用言語はすべて英語です。

Nov 11th (Sat.)
Workshop on Hilbert part 1
13:00-14:00
W. Sieg (CMU 哲学科), Existential Axiomatics
アブストラクト全文 (pdf)
アブストラクトより抜粋:  
I sketch first the evolution to Hilbert's finitist consistency program,
point to the deep connections to Dedekind’s logicist views, and describe
the evolution of "existential axiomatics". Second, I describe the problematic
of articulating the epistemologically distinctive aspects of finitist mathematics.
An analysis of the informal ideas underlying this approach motivates, however,
the formulation of reductive structuralism. The goal in this third part is to
give an integrating perspective for philosophical work and to formulate focused
problems for mathematical investigation.

14:10-15:10
S. Hayashi (京大, 文学研究科), Hilbert's notebooks I
アブストラクト: Hilbert の数学手帳の研究により多くの新事実が明らかになりつつある。
2回の講演で、その内から幾つかを紹介する。
(i) Hilbert の基礎論研究は1889年頃の「すべての数学問題の有限的可解性を証明する」
という「夢」に発する。この「哲学的夢」は彼の有限基底定理の非構成的証明に関連して発想
されたようだが、カント哲学と意識的に結び付けられていた。彼の数学研究の殆どは、この「夢」
と関係しており、物理学の数学的基礎付けの研究は、そのひとつである。
(ii) その「可解性」思想は計算の問題と深く関連する。Hilbert は Kronecker 的な計算
的数学に強い嫌悪感を持っていたが、1890年代初めに「計算理論」を構想している。彼の独特
の計算観が数十年後に、Hilbert計画を間違った道に導いたようだ。
(iii) 「無矛盾性=存在」のテーゼは1890年代初めに構想された形跡がある。そのルーツは
幾何学ではなく、代数学・算術らしい。
Hilbert 数学手帳研究のWebpage: http://www.shayashi.jp/HNBP/index.html

15:20-16:20
R. Zach (カルガリー大学哲学科),  Algorithms and decision problems in Hilbert's school
アブストラクト: Concurrent their work on proof theory in the 1920s, Hilbert and his
collaborators and students--in particular, Ackermann, Behmann, Bernays,
and Schonfinkel--did substatial work towards the decision problem for
first order logic. This begins with an unpublished talk by Behmann in
1921 in which the word "Entscheidungsproblem" first appears. In this
same talk, Behmann explicitly points to algebraic algorithms, e.g., for
solving equations, as the model according to which a solution to the
decision problem should be attempted. This kind of approach is
characteristic of approaches to elimination problems in algebraic logic,
and to quantifier elimination procedures. It is an important question
how this early work relates to other positive solutions to decision
problems based on exhaustive search over finite objects (e.g., by
establishing finite controllability of classes of formulas).

16:50-17:50
CC seminar part1
S. Hayashi (京大, 文学研究科), Hilbert's basis theorem, Solvability, and LCM
アブストラクト:Hilbert の数学手帳の研究で発見されたヒルベルトの可解性ドグマの原
型の自然な解釈と、有限基底定理、Σ^0_1命題に制限された排中律の三つが
適当な構成的数学の形式系において同値であることを証明する。
参考: http://www.shayashi.jp/PALCM/index.html

Workshop Dinner: 参加希望の方は予約が必要です。参加希望の方は、11月4日までに、林までご連絡ください。申し込み連絡方法はメールがありがたいですが、電話、FAX でも結構です。これらの連絡先は、http://www.shayashi.jp をご覧ください。 氏名、連絡先、人数を必ず明記(or お伝え)ください。沢山の方の参加をお待ちしております。

Nov 12th (Sun.)
Workshop on Hilbert part 2
9:30-10:30
S. Hayashi, Hilbert's notebooks II
アブストラクト:前日の講演 Hilbert's notebooks I の続き

10:30-11:00
K. Nakatogawa (北大, 文学研究科), Comments
  哲学の立場から、講演とHilbert数学手帳研究へのコメント

11:20-12:20
CC seminar part2
W. Sieg, Church without dogma: axioms for computability,
アブストラクト全文 (pdf)
アブストラクトより抜粋:  
I formulate finiteness and locality conditions for two types of calculators, human computing
agents and mechanical computing devices; the distinctive feature of the latter is that they can
operate in parallel.
The analysis leads to axioms for discrete dynamical systems (representing human and
machine computations) and allows the reduction of models of these axioms to Turing machines.
Cellular automata and a variety of artificial neural nets can be shown to satisfy the axioms for
machine computations.